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【獣医師監修】犬の歯磨きの正しいやり方は?嫌がられないコツと歯磨きをしないとどうなるかも解説

犬の歯磨きのやり方

「愛犬が歯磨きをさせてくれない」

「歯磨きって本当に必要なの?」

 

このようにお悩みの飼い主さんもいるのではないでしょうか。

 

歯磨きは歯の健康を守るだけでなく、全身の病気の予防にも役立つ重要なお世話です。

 

ワンちゃんが歯磨きを嫌がるからといって放置すると歯周病になりやすくなり、歯周病から心臓病や腎臓病など重大な病気につながるおそれもあります。

 

そこで今回は犬の歯磨きの正しいやり方を解説します。嫌がられないコツも紹介するので、歯磨きでお困りの飼い主さんはぜひ参考にしてください。

 

▼▼実演解説はこちら▼▼

犬の歯磨きには準備が大切

歯磨きに慣れていないワンちゃんは歯磨きを嫌がる可能性が高いため、しっかり準備することが大切です。

 

下記の方法を参考にしてください。

  1. 口の周りを触って刺激に慣れてもらう
  2. 口の中に手を入れて歯や歯ぐきを触る
  3. 歯ブラシに慣れてもらう

順番に解説します。

 

1.口の周りを触って刺激に慣れてもらう

まずはワンちゃんの口の周りを触って、刺激に慣れてもらいましょう。口はデリケートな場所なので、急に触られると驚いてしまいます。

 

まずは「口を触られるのは嫌なことではない」と覚えてもらうことが大切です。

 

遊びの一環として触ってあげると、ワンちゃんもリラックスできるでしょう。

 

最初は口の周りを撫でる、タッチするなど優しく触ってあげるのがコツです。まだ歯や歯ぐきに触れなくても問題ありません。

 

口の周りを掴んでも嫌がらないくらい慣れさせるのが目標です。

2.口の中に手を入れて歯や歯ぐきを触る

口の周りを触れるようになったら、口の中に手を入れてみましょう。ワンちゃんの唇をめくって、歯や歯ぐきを指で優しく触っていきます。

 

口の中を触るときも遊びの延長で行うと「歯を触られるのは楽しいこと」と感じるようになります。

 

必要であれば、口の中を触った後におやつをあげるのも1つの方法です。

 

少しずつ段階を踏みながら進めていくと、ワンちゃんのストレスも軽減されます。

3.歯ブラシに慣れてもらう

口を触っても嫌がらなくなったら、今度は歯ブラシに慣れさせましょう。まだ歯を磨く必要はありません。

 

歯ブラシを見せたり匂いを嗅がせたりします。もし歯ブラシに興味を持ったら、歯ブラシで遊ばせても大丈夫です。

犬の歯磨きの正しいやり方

ワンちゃんの歯磨きの方法を、下記のポイントに分けて解説します。

  1. 歯ブラシの持ち方・動かし方
  2. 歯を磨く順番
  3. 歯磨きが終わったあと

歯磨きに挑戦する前に、一度読んでみましょう。

1.歯ブラシの持ち方・動かし方

歯ブラシの持ち方・動かし方のコツは、次のとおりです。

歯ブラシは鉛筆のように持つ
  • 力加減がコントロールしやすいため
  • 歯ブラシを細かく動かしやすいため
人間の歯磨きの10分の1ほどの力で磨く
  • 歯ぐきの後退を防ぐため
  • ワンちゃんの不快感を減らすため
歯ブラシは45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当て、小刻みに動かす
  • 歯周ポケットの汚れをかき出すため
  • 歯を一本ずつ磨くため

とにかく優しく磨いていくのが大切なポイントです。痛みや不快感を与えてしまうと、ワンちゃんは歯磨きを嫌なことだと覚えてしまいます。

 

また強く磨きすぎると歯ぐきが後退し、歯の安定性が失われる原因にもなります。

2.歯を磨く順番

歯を磨く時は、下記の順番で磨くのがおすすめです。

  1. 奥歯
  2. 犬歯
  3. 前歯

奥歯は歯石がつきやすく、とくにしっかり磨きたい部分です。

 

歯磨きの時間が長くなると、ワンちゃんがだんだん嫌がるようになり歯磨きできなくなるので、最初に奥歯を磨いてしまいましょう。

 

奥の方から手前の方に進んでいき、前歯は最後にさっと磨くのがコツです。

前歯を磨くときは視界に歯ブラシが入るため、嫌がられやすい傾向にあります

歯の内側は歯垢がつきにくいので、まずは外側をしっかり磨けるようになりましょう。

 

歯磨きは2〜3分ほどで終わらせるのが理想です。

3.歯磨きが終わったあと

歯磨きが終わったらご褒美をあげましょう。ご褒美がもらえることを覚えると、次回以降も歯磨きしやすくなります。

 

歯磨きの効果をより高めたい場合は、歯磨きガムをご褒美として与えるのもおすすめです。

 

歯磨きガムには、噛むことで唾液を出したり歯ぐきをマッサージしたりする効果があります。

 

歯磨きガムを与えるときは、飼い主が持った状態で与えるのがおすすめです。飼い主がおやつを支えることで、ワンちゃんがおやつを噛みやすくなります。

犬の歯磨きを成功させるコツ

ワンちゃんの歯磨きを成功させるには、下記のコツを意識しましょう。

  1. 無理に歯磨きをしない
  2. ご褒美を活用する
  3. デンタルケアグッズを活用する

それぞれ詳しく解説します。

 

歯磨きは無理をしない

嫌がるワンちゃんに無理やり歯磨きをしてしまうと「歯磨きは嫌なもの」と覚えてしまうだけでなく、飼い主との信頼関係が崩れる恐れもあります。

 

ワンちゃんが嫌がったときは無理をせず、休憩することが大切です。

 

いきなり歯磨きをするのではなく、遊びながら口周りや歯を触って慣れさせるのがコツです。

 

少しずつ歯磨きへの抵抗感を減らしていきましょう。

ご褒美を活用する

歯磨きをするときはご褒美を使うのがおすすめです。

 

「歯磨きを頑張ればご褒美がもらえる」と覚えれば歯磨きがスムーズになり、ワンちゃんのストレスも減らせます。

 

好きなおやつを用意してから歯磨きを始めると、ワンちゃんが嫌がったときにすぐおやつを与えられます。

デンタルケアグッズを活用する

ワンちゃんが嫌がらないグッズを活用しながら練習するのも、歯磨きを成功させるコツです。

 

歯ブラシが苦手で歯磨きを嫌がっているケースもあるためです。

 

たとえば歯ブラシに慣れていない子は、クロスを使うことで歯磨きに対する抵抗感が減る場合もあります。

 

おすすめのグッズは、このあと詳しく解説します。

歯磨きを嫌がるときにおすすめのデンタルケアグッズ

歯磨きを嫌がるときは、デンタルケアグッズを活用するのも1つの方法です。おすすめのケアグッズを、下記の場面ごとに紹介します。

  1. 口を触らせてくれないとき
  2. 口は触らせてくれるけど歯ブラシは嫌がるとき
  3. 歯磨きはできるけど嫌がっていそうなとき

ご自宅のワンちゃんに当てはまる見出しを読んでみましょう。

 

口を触らせてくれないとき

ワンちゃんが口を触らせてくれないときは歯磨きジェルやリキッド、スプレーを使うのがおすすめです。

 

ジェルには甘いものもあるので、おやつ感覚で楽しんでくれるかもしれません。

 

ジェルに慣れれば歯磨きへのハードルも下がります。

 

ジェルを嫌がらない場合は指にジェルをつけて、舐めさせながら口の中を触ってみましょう。

 

またリキッドやスプレーには口内細菌を抑えたりする効果が期待できます。

 

ただし、歯磨きは物理的に歯垢を除去することが目的なので、歯磨きジェルやリキッドだけでは不十分です。

 

美味しい味のジェルなどは、口の中を触られる練習と考えて活用しましょう。

口は触らせてくれるけど歯ブラシは嫌がるとき

口を触らせれくれるときは、歯磨きクロスや指はめブラシを使ってみましょう。柔らかいためワンちゃんに抵抗感を与えにくいです。

 

また飼い主の指で歯を磨くため力加減しやすく、歯ブラシで磨くよりも扱いやすいです

 

ただし、クロスは歯の表面の歯垢を除去するだけで、歯と歯の間など細かい部分の汚れは落せません。

 

まずはクロスを使って、口の中に何かを入れられる抵抗感が少なくなってきたら歯ブラシにチャレンジしましょう。

歯磨きはできるけど嫌がっていそうなとき

歯ブラシを嫌がってしっかり磨く時間が取れないときはヘッドが小さい歯ブラシや360度歯ブラシを使ってみましょう。

 

口の奥まで入れやすいので、ワンちゃんが嫌がる前にサッと歯磨きを終わらせられます。

 

また、歯磨きジェルの種類も重要です。

 

味がしないものや甘いものなどさまざまな種類があるため、ワンちゃんの抵抗が少ないものを選んであげましょう。

犬の歯磨きをしないと歯周病になるかも

ワンちゃんの歯磨きをしないと、歯垢・歯石がついて口臭がひどくなるだけではなく、歯周病を引き起こす原因となります。

 

歯周病に関して、下記の項目に分けて解説します。

歯周病とは?

歯周病は細菌の感染によって引き起こされ、歯の周りの歯肉や骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気です。

 

人間と同じく、歯石や歯垢の付着や口腔内の細菌が原因となります。

 

世界的に3歳以上のワンちゃんの8割以上が歯周病に罹患しているといわれており、決して珍しい病気ではありません。

※参考:日本獣医師会「小動物歯科診療の歴史ならびに現状と展望(||)」

 

歯周病になりやすいからこそ、日々の歯磨きで予防してあげることが大切です。

歯周病の症状

歯周病になると、以下のような症状が現れます。

  • ひどい口臭
  • 歯肉の赤み
  • 歯肉の腫れ
  • 歯肉からの出血
  • 歯のぐらつき
  • よだれの過剰分泌
  • 口の痛み

上記のような症状が続くと、口の痛みでご飯を食べられなくなります。

 

さらに歯周病が進行すると歯槽骨が溶けて歯が抜けたり、顎の骨が薄くなって折れたりすることもあります。

 

化膿を起こすと膿のような鼻水が出る、目の下あたりが腫れるといった症状が現れることも。

 

進行した歯周病は治すことができません。重度の歯周病になると抜歯をして根本的な原因を取り除くしかなくなってしまいます。

 

日ごろのデンタルケアで歯周病を進行させないことが重要です。

歯周病が原因でおこる病気

歯周病菌が血流にのって全身をめぐることで、全身の病気が起こるリスクも指摘されています。

 

歯周病菌によって発症するおそれがある病気は、下記の通りです。

  • 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)
  • 肝炎
  • 腎臓病
  • 呼吸器疾患

など

 

上記の病気は命にかかわる病気です。元気で長生きするためにも、正しい歯磨きができるように頑張りましょう。

犬の歯磨きに関するよくある質問

犬の歯磨きに関するよくある質問をまとめました。

Q.犬はどうして歯磨きを嫌がるのですか?

口はデリケートな場所なので、触られることに慣れていないと嫌がる可能性が高いです。

 

人も急に口を触られたら驚くかと思いますが、ワンちゃんも同じです。また見慣れない歯ブラシを、怖いと感じているケースもあります。

 

今までは嫌がらなかったのに急に嫌がるようになったという場合は、口の中が痛いのかもしれません。

 

病気を発症していることもあるため、病院に行きましょう。

Q.犬の歯磨きをするときの口の開け方がわかりません

ワンちゃんの口を開けるときは上を向かせて、犬歯の後ろあたりを親指と中指で掴んで開けましょう。

 

飼い主がワンちゃんの後ろ側に座ると開けやすいです。

Q.どうしても歯磨きをできないときはどうしたらいいですか?

歯磨きを嫌がる場合も根気強く慣れさせていきましょう。

 

歯磨きはワンちゃんの健康維持のために大切なので、嫌がるから歯磨きをしないというわけにはいきません。

 

いきなり完璧な歯磨きを目指すのではなく、まずは口の中を触られるのになれるところから、ゆっくりチャレンジしていくのがコツです。

 

どうしても歯磨きできないという場合は、かかりつけの動物病院に歯磨きの相談をしてみましょう。

Q.犬の歯磨きはどのくらいの頻度で行うのがおすすめですか?

できれば人間と同じく毎食後に歯磨きを行うのが理想ですが、まずは週2〜3回できるようにチャレンジしましょう。

 

犬の場合は3〜4日で歯垢が歯石に変わるといわれているため、3日以上間隔を開けないように気をつけましょう。

 

歯垢のうちはブラッシングで取り除くことができますが、歯石に変わるとブラッシングでは取り除くことができません。

Q.犬の歯磨きはいつから始めたらいいですか?

生後3週間ごろに乳歯が生えてくるので、そのタイミングで歯磨きを始めるのがベストです。

 

子犬を迎える場合は生後2〜3か月のことが多いため、子犬を迎えたら歯磨きも毎日の習慣にしましょう。

 

毎日の習慣にしておくと、成犬になる頃には歯磨きも克服しているはずです。

獣医師が解説!動画で歯磨きの方法を学ぼう

「実際に歯磨きしている動画を観たい」という方は、こちらの動画を参考にしてみましょう。

獣医師が実際にワンちゃんに歯磨きをしながら、解説しています。

まとめ

ワンちゃんの歯磨きをするときは、口を触ったり歯ブラシで遊ばせたりして少しずつ慣らしていくことが大切です。

 

口はデリケートな部分なので、急に触られるとワンちゃんも嫌がってしまいます。

 

歯磨きはワンちゃんの健康を維持するためにも大切なケアなので、嫌がる子もあきらめず根気強く、できることから少しずつチャレンジしていきましょう!

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