エッセンシャルオイル(精油)とは?基本的な知識を解説
エッセンシャルオイルとは、植物から抽出される様々な有効成分を含む、揮発性の油のことです。
植物の花、葉、茎、樹皮、根などから抽出され、数百種類もの植物から抽出することができ、植物の種類・抽出部位によって独特な芳香を持つことが特徴です。
エッセンシャルオイルは、様々な有効成分を活用して自然療法、美容、ホームケアなどの分野で広く利用されています!
ただし、エッセンシャルオイルは医薬品ではないため効果効能を謳って販売することはできません。
ですが、エッセンシャルオイルには古くから良い働きがあること(=作用)が知られており、民間療法として役立てられてきました。
近年では古くから言い伝えられてきたエッセンシャルオイルの作用について科学的な研究の裏付けも行われるようになり数多くの論文も発表されており医療界からも注目が集まってきています。
医薬品ではないから効果効能を謳うことはできないけれど、古くから作用が知られており、さらには科学的根拠も示されるようになったエッセンシャルオイル。
これをホームケアとして使用する場合には、「自己責任」が伴います。
単に「香りを楽しむ」以上のメリットを期待して使用する場合には、基本的な知識を必ず身につけておきましょう!
エッセンシャルオイルの種類
エッセンシャルオイルには数百種類もの種類がありますが、以下に代表的なエッセンシャルオイルとその特徴を紹介します。
ラベンダー
学名 | Lavandula angustifolia |
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抽出部位 | 花 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主成分 | リナロール、酢酸リナリル |
古くから香りや薬効を持つ植物として知られており、その特徴的な香りや多様な効能が利用されてきました。
おだやかさと安らぎをもたらし、肌を整える働きがあります。
ペパーミント
学名 | Mentha piperita |
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抽出部位 | 葉、茎 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主成分 | メントール、メントン、1,8-シネオール |
多くのメントールが含まれており、歯磨き粉などの香料に使われ、清涼感のある香りで気分をスッキリとさせてくれます。
クールダウンやリフレッシュにも。
レモン
学名 | Citrus limon |
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抽出部位 | 果皮 |
抽出方法 | 低温圧搾法 |
主成分 | リモネン、β-ピネン、γ-テルピネン |
さまざまなメリットがあり、多目的に使えます。
こもった空気をリフレッシュして、ナチュラルなお掃除にも。
柑橘系の香りは気分を明るく前向きにしてくれます。
フランキンセンス
学名 | Boswellia sacra, carterii |
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抽出部位 | 樹脂 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主成分 | α-ピネン、リモネン |
「エッセンシャルオイルの王様」と呼ばれ、最も貴重なオイルの一つとして有名です。
香りは幸福感やリラックス、満ち足りた心をもたらし、健康な細胞機能やお肌のサポートに働きます。
ユーカリプタス
学名 | Eucalyptus radiata |
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抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主成分 | 1,8-シネオール、α-テルピネオール |
清涼感をもたらす香りで呼吸をすっきりとさせ、心身を落ち着ける働きやお肌を清浄に保つ働きがあります。
お部屋のこもった空気をさわやかにしてくれて、掃除にもおすすめです。
エッセンシャルオイルの作用
エッセンシャルオイルには古くから様々な作用が知られており、近年研究によっても効果が実証されています。
ホームケアで役立つ作用について、代表的なものを5つご紹介します。
1.鎮静作用
神経系の過度の働きを抑え、リラックスやストレス解消、心地よい睡眠の促進に効果があります。
ラベンダーやローマンカモミールなど。
2.抗菌作用
細菌の増殖を抑制したり生息を阻止したりする働きがあります。
清潔な環境づくりや感染症に対する効果が期待されています。
ティーツリーやユーカリプタスなど。
3.抗炎症作用
炎症反応を引き起こす物質を抑制することで炎症を緩和し、炎症やかゆみ、赤みの緩和に効果があります。
ラベンダーやフランキンセンスなど。
4.解毒作用(デトックス作用)
体内の毒素を排出したり、肝臓の働きを促進することで身体の浄化や代謝をサポートします。
レモンやゼラニウムなど
5.抗ストレス作用
心身の緊張や不安を緩和し、リラックスや心の安定を促す効果があります。
ストレスの軽減や心のバランスを整えるために役立ちます。
ベルガモットやフランキンセンスなど
その他にも
- 抗酸化作用
- 活性化作用
- 消臭作用
- ホルモン調整作用
- 防虫作用
- 疼痛緩和作用
など様々な作用が知られています。
これらの作用を持つエッセンシャルオイルを上手に活用してホームケアに役立てていきましょう。
エッセンシャルオイルの選び方
数百もの種類があり、作用も様々なエッセンシャルオイルを選ぶことは、慣れないうちは戸惑ってしまうかもしれません。
必要なエッセンシャルオイルを選ぶポイントをご紹介します。
1.効果や目的に合わせて選ぶ
エッセンシャルオイルはそれぞれ異なる効果や特徴を持っています。
目的に合わせて、リラックス効果や抗菌効果などの必要な効果を持つオイルを選んでみましょう。
2.品質に注意する
エッセンシャルオイルは植物のエキスを高濃度に濃縮したものですので、高品質なエッセンシャルオイルを選ぶことが大切です。
3.注意事項を確認する
エッセンシャルオイルにはメーカーそれぞれが提示している使用上の注意があります。
注意に従って使用しましょう。
同じエッセンシャルオイルでも、メーカーによって「化粧用油」「食品添加物」「雑貨」という3つのカテゴリーで販売されています。
それぞれ、目的・使用方法が異なりますので注意が必要です。
化粧用油 | 肌に塗布することができます。 |
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食品添加物 | 摂取することができます。 |
雑貨 | 香りを嗅いで楽しむことができます。 原液を肌に塗布したり摂取することはできません。 |
例えば同じ「レモン」でも「食品添加物」として販売しているメーカーもあれば「雑貨」のメーカーもあります。
使用する前に必ず確認しましょう。
その他注意点を十分確認してから使用しましょう。
4.香りの好みで選ぶ
エッセンシャルオイルはそれぞれ独特の香りがあります。
自分が好きだなと感じる香り、癒される香りを選び、まずは香りを楽しんでみましょう。
ペットアロマで使用できるエッセンシャルオイルは?
ペットにエッセンシャルオイルを使用する際には、ペットの動物種によっても注意点が異なります。
ここでは代表的なペットとして犬・猫に使用できるオイルについて解説していきます。
摂取が可能なものを使用する
ペットに使用する場合、体に塗る(塗布)使い方があります。
ペットですので体を舐めてしまうことを大前提として体に取り込んでも安全な品質のエッセンシャルオイルを使用しましょう。
ペットに使用できるエッセンシャルオイル
多くのエッセンシャルオイルをペットのために使用することができます。
- ラベンダー
- フランキンセンス
- ゼラニウム
- コパイバ
- レモングラスなど
ペットに避けるべきオイル
ティーツリー、ウィンターグリーンは犬猫への使用は控えましょう。
猫にはこの他にも、柑橘系オイル、ミント系オイルを避けた方がよいと言われています。
※ペットアロマを使用する場合には使用後のペットの様子を十分に観察し、いつもと違う様子が見られたら直ちに使用を中止してかかりつけの動物病院に相談しましょう。
ペットの健康状態が悪い時、動物病院にかかっている時などは、必ず獣医師に相談の上使用するようにしましょう。
まとめ
古代から伝えられてきた植物のチカラが、近年になって科学的に証明されるようになってきました。
自然のパワーを秘めたエッセンシャルオイルを、楽しみながら毎日の生活に取り入れてみましょう!