無理やり取り押さえてケアをする
『PHAJ症例発表会2024下半期』振り返り
今回は瀬川沙里さんのご発表から感じたことをお話しします。
瀬川さんのご紹介はこちら
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https://petaroma-homecare.or.jp/instructor/instructor-970/
全力拒否からの「絆」復活!?
「今までちゃんと触れ合っていなかったかもしれない…」
ペットアロマを始めた飼い主さんからよくこんな気づきを聞きます。
意外に思われるかもしれませんが、これはとても大切な発見です。
瀬川さんが印象的な体験を語ってくれました。18歳のシニア犬との物語です。
瀬川さんは、それまでもペットケアに関する様々な知識を学び、実践してきた『意識の高い系』飼い主さんでした。
食事にも気を配り、自然派思考で無添加オタク。
でも、それは『自分の満足のため」だったのかもしれない…』
そんな気づきが訪れたそうです。
きっかけは、以前亡くした愛犬に何もしてあげられなかった後悔といま一緒に暮らしている愛犬の老齢化に伴う体調の変化。
そんなタイミングでペットアロマを学ばれました。
しかし最初、愛犬ぶん太くんは全力で拒否(汗)
触れることすら難しい状況でした。
ペットアロマケアの特徴の一つは、『塗る』という行為を通じて必然的にペットに触れる機会が増えることです。
香りをディフューズしたり、時には経口摂取させることもありますが、多くの場合、希釈したエッセンシャルオイルを体に塗る。
その時に、優しくなでなでをいっぱいしてもらうようにしています。
足腰が弱くなっていて、そのケアのためにアロマを塗りたいのに塗らせてくれないぶん太くん。
こうなると
「うちの子は嫌がって塗れませんでした。うちの子にはアロマは向いていないようです」
と判断してしまう飼い主さんも多いんですよ。
ですが、瀬川さんは違いました。
ケアする前にしっかりペットアロマを学んでくださっておりケアすることの必要性を感じていたので、嫌がるぶん太くんを取り押さえて塗布したとのこと。
最初は無理やりです(汗)
これは決して推奨するものではないですが。
ですが、必要なことだと思っています。
たとえば、『何か病気の時にお薬をどうしても飲ませないといけない』とか、嫌がるけど『歯磨きはちゃんとしなくちゃいけない』とか
「嫌がるからできませんでした」
では済まないものありますよね。
そのくらい
「ちゃんと頑張らなきゃダメなの!!」
「これできっと良くなるからがんばろうね!」
「お母さんの言うこと聞きなさい!任せときなさい!」
っていう気持ちでやるなら
『無理やり取り押さえてケアする』
というのも最初はアリだと思うんです。
そこにちゃんと飼い主さんの確信があれば、ペットも次第に受け入れてくれます。
ただし、飼い主さんが不安ながらにやっているとペットもずっと不安で嫌がり続けますね。
それこそ『絆崩壊』です。ここは十分にお気をつけいただきたい。
ということで、瀬川さんはしっかり確信を持って無理やりケアを行われたのですが、すると驚くべき変化が。
最初は拒否していたぶん太くんが徐々にマッサージを受け入れるようになり、やがて自分からケアを求めてくるように。
そして、それまで弱っていた足腰に力が戻り踏ん張ってご飯を食べられるようになり家の中の段差も乗り越えられるようになっていったのです。
「ペットアロマと出会えて、本当に良かった」
と、瀬川さんは言ってくれました。
それは単に症状が改善したからではありません。
18年連れ添ってきた大切な家族との絆がさらに深まったからこそ。
触れることって最高の愛情表現です。人間同士でも、人とペットの間でも。意識的に触れ合う時間を作ることで私たちは愛する存在のちょっとした変化に気づけるようになります。
エッセンシャルオイルの効果とか、どこをどうマッサージすると効果的かとか、それは二の次。
まずはたくさん触ること。
触れ合いの時間を意識的に作ってみませんか?決して難しいことではありません。ただ、少し多めに撫でてあげる。
そこにペットアロマが加わると、エッセンシャルオイルの効果がプラスされるのはもちろんなのですが、嗅覚が鋭いペットだからこそ「この匂いは、いいことがある匂いだ!」ってしっかり認識してくれるのも嬉しい効果です。
発表の最後にぶん太くんが実は・・・・っていうお話がありました。
一気に会場が涙涙。。。
ぜひ皆様にも聞いて欲しいです。
でも、ペットアロマだと間接的にイライラのケアができてしまう笑
飼い主さん自身としては、皮膚のケアがしたいわけだからそこをアドバイスしつつ実は飼い主さんの心も癒している。
これって絶対『薬』ではできないわけです。
で、ペットアロマケアをするうちに『私が癒されて穏やかになったかも』と気づいてくれる飼い主さん、ほんっとに多いですから!!
そうなると『やった!!』です。
ペットアロマは、そんな気づきのきっかけを与えてくれる存在。
好循環の出来上がりですね。ペットアロマ講師の皆さんはここをうまくアドバイスに取り入れて欲しいですし、飼い主さんたちもそんな視点でペットとの関係を見つめ直してみてください。